歯科医院の営業体験のお話

今回は、既存のお取引先にお送りしている「高峰だより」に掲載させて頂いた 

「営業体験」のお話です。

今の時代、患者様との継続的なコミュニケーションはどの医院様も

あれこれ工夫していらっしゃるので、訪問させて頂いた際にいろいろと

お話をお聞かせいただくことも多いです。

このお話は少し前のことですが、今でも有効な方法だと思いますし大変感動しました。

是非参考にしてみてください。

 

横浜のM歯科医院の元院長先生と、その跡取りの先生にインタビューさせて頂いた

内容から、以下、2つの「歯科医院の営業体験話」をお届けします。

1.「百貨店での無料診療のお話」

2.「お店への一般営業の話」   

 

1.百貨店での無料診療のお話

M歯科医院の元院長先生が歯科医院の営業活動を始めたのは、

30年位前のことだそうです。

 

当時は来院する患者さんをひたすら待っている状態でしたが、

「歯科医院は営業してはいけない」という思いがあり、

患者さんが減ってしまった時期があったそうです。

看板を出すだけではどれだけの効果があるのだろうか、という思いから、

この院長先生は百貨店で無料診療を始めました。

 

☆ ☆ ☆ 院長先生のインタビューから☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

『店から日程と場所の返事を貰うのに、声をかけてから3ケ月位かかりましたが、

月2回で、第2、4週の木曜日に無料診療が開けることになりました。

 

今と違って訪問関係の医療設備が少ない時代でした。

持ち運び出来るものを医院内にある機材で準備し、衛生士、歯科助手と僕の3人で、

百貨店の5階の片隅で無料検診は始まりました。

 

僕も未経験の事ですので、

とりあえず人々のお話を聞く事、歯に対しての悩みを聞く事を考え、

とにかくスタートしました。

 

その時解った事ですが

歯科医院は入りにくいという印象が強く

気軽には診療予約電話もかけにくいと思われている人が多いということでした。

 

一般的には、患者さんのデンタル知識も今よりはるか低かったので、

まず『歯に対する重要性』と『健康に関わる』ことを衛生士と歯科助手が細かく説明し、

納得してから検診を受けて頂く、このパターンで初日は無事終了しました。

 

情けないことに初日の無料検診は3人だけでした。

 

しかし、無料検診の良い点は、

口腔内をみると本人も気が付かなかった歯石、虫歯などを見つけて知らせることが

出来るという点です。

 

そして大変喜んで感謝して頂き、

安心感・信頼感を持った通院患者さんになって頂けます。

 

医院外からの出会いは柔らかく、楽しい雰囲気がありました。

その時の患者さん、患者さんのご家族、ご親類、お友達は

今も本医院の患者さんとして続いて来院してくれています。

 

店の無料検診は6ケ月で終わりましたが、

無料検診で出あった患者さんは約350名にものぼりました。

全患者さんが自費診療となり、

引っ越してご自宅が遠くなってしまっても、

その後ずっと遠方から来院してくれています。』

 

2. お店への一般営業の話

M歯科医院の現在の院長先生は、

卒業後2ケ所の歯科医院で6年間お世話になったあとで、

跡継ぎとして先代の歯科医院に入ったそうです。

しかし、患者さんは先代を頼り、若い先生は助手扱い。

それで先生は思い切って一般営業を始めました。

営業社員として、一般客として、いろいろなお店を回ったのです。

 

☆ ☆ ☆ 跡取りの若先生インタビューより☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

『何年経っても患者さんは院長を頼り、それが僕にはとても不満でした。

仕事も身につきません。そんな頃、院長先生から無料検診の話を聞き、

「それだ!」と思いました。

そうして自分で営業をして信頼を得た患者さんだから、院長先生を頼るのです。

 

それなら、自分は自分の営業をすれば良い。

しかし、

今はすでに百貨店各店には歯科医院が入り、以前のようには開拓できない時代です。

 

そこで僕は小さな会社、小さな店に歯科営業を始めました。

休日、休み時間に出向いて、その場での僕は歯科医師ではなく、

営業社員、一般客になりました。

 

学生から歯科医師になった僕は、営業などしたことがありません。

初めは自分に抵抗もあり、相手にかける言葉も見つからず、

「嫌だ」ということしか頭にありませんでした。

それでも「父のように皆から頼られる医師になりたい」という強い思いがあったので、

自分に言い聞かせながら、僕は営業を続けました。

 

訪問した所から聞いた話をまとめ、何回か読んでいるうちに出口は見つかりました。

同じ所を3回位訪問します。

1回目は挨拶と来た目的を知らせる。断る所もあれば好意で対応する所もあります。

2回目は好意的に対応してくれた所に行き、

歯の健康に関わる重要性を世間話のように話します。

3回目で僕が作った、手作りの「無料診療券」を渡す。無料診療は医院内で行います。

 

訪問営業をして分かったのは、今までと違って患者との距離が近くなったことです。患者との距離が近くなると、患者の立場からの本音が聞ける。

院長からのアドバイスも多かったですが、

特に「医院外で出あった患者は違う」という言葉は実感出来ます。

患者さん自ら自費診療を望まれますし患者さんから患者さんへの紹介も多くなります。

 

僕がアドバイスするなら

  1. どんな未来が欲しいのか自分がどのようになりたいのかを明確にします。
  2. あなたの理想の未来は、必ずあなたの歩いた過去から来ます

 

生意気に聞こえるかも知れませんが、父の今の環境と僕の今の環境から得たことです。

 

 

人々は結構迷います。これと決めたら、迷わず進んで下さい

今日は暗いかも知れませんが、明日は明るいはずです。』